高齢期のライフスタイルについて調査・研究する、NPO法人「老いの工学研究所」は、このたび、高齢者の呼称について調査を行いました。その結果についてお知らせ致します。
- 「シニア」をポジティブな呼称だと感じる割合は、年齢とともに減少。
70歳代で3人に1人、80歳代では半数以上が、最もポジティブな言葉として「シニア」を選択せず。
全世代で「シニア」という呼称を最もポジティブだと感じる割合が多くなりましたが、50 歳代を超えるとその割合は低下し、70 歳代で65%、80 歳代で45%という結果になりました。 一方、20 歳代では37%にとどまり、21%が「じいさん・ばあさん」を最もポジティブだと感じるなど、世代による語感の違いが伺える結果となりました。
2. 高齢者は、「老人」「年寄り」には慣れてくるが、「じいさん・ばあさん」には嫌気。
「老人」「年寄り」という言葉は、年代が上がるにつれてネガティブだと感じなくなる一方で、「じいさん・ばあさん」はネガティブに感じる人が増えており、年齢とともに嫌がられる言葉であることが分かります。 様々な商品・サービスで、ポジティブなニュアンスを込めて高齢者を「シニア」と呼称するの が一般的になってきましたが、今回の調査からは、高齢者自身が、それにしっくりとは来ていないことが分かりました。
もともと敬意や愛情を含んでいた「老人」「年寄り」「じいさん・ばあさん」といった言葉も、以前とは異なるネガティブなニュアンスを含んで捉えられるようになっており、「高齢者」という単に年齢を基準とした言葉以外には、適切な呼称が見つかっていない状況であると言えます。
また、アンケートの質問で、「ポジティブ・ネガティブ」などの英語を使っていることに対し
て、高齢の回答者から「日本語で表現できるのに、英語を使わないでもらいたい」といった声が少なからず寄せられたことから、高齢者はそもそも、英語の多用や英語を使った呼称に違和感を持っているとも考えられます。
※調査:2014年。回答者 :20 歳~87 歳の男女851 名(男性424 名/女性427 名)。
調査方法:郵送、インターネット。
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