高齢者が失った「世間」日本人には「世間」というものがあり、「世間さまに顔向けできないようなことはしないように」と世間体を気にしながら生きている人も少なくありません。こうした人たちは自分の意思や基準ではなく、また、時には法やルールにも増して、「皆がどうしているか」「これまでどうしてきたか」「周囲が違和感を持たないようにするためには」と考えて、自らの言動を選択します。世間というものの存在を感じさせる言葉も「出るくいは打たれる」「村八分」「身内」「外国人」「ウチでは/ソトでは」「空気を読む」などたくさんあり、最近では「同調圧力」がよく口にされるようになりました。海外には「世間がない」とはいいませんが、日本ほど強くは意識されません。宗教の影響力が強い国では、特に...2020.12.27 02:52コラム