高齢者が元気と健康を維持する、たった一つの秘訣 昔に比べて今の高齢者がとても若々しいのは、見た目だけでなく、体力検査などの数値においても明らかになっています。その要因の一つとして、私は、3世代同居が激減した(1986年の約45%から、2021年は約9%となった)ことが大きいと見ています。 一つには、子や孫と一緒に住んでいて「何でもしてもらえた環境」から、高齢者だけで住むようになることで「何でも自分でしなければならない環境」へと変化し、頭や体を日常的に使うようになったこと。もう一つは、高齢者だけで住んでいると、「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼ばれたり、年寄り扱いされたりする機会が減って、年を取った実感がなくなり、気持ちが若くいられるということがあるでしょう。 現代の高齢者の“...2023.01.25 08:45コラム
法制化が見えない日本の「尊厳死」 文藝春秋12月号に、「ゴダール『安楽死』の瞬間」(宮下洋一氏)という記事がありました。「勝手にしやがれ」(1960年)などで知られる映画監督、ジャン=リュック・ゴダール氏が、スイスの団体の支援を得て、2022年9月、薬物を服用して安楽死した件に関するレポートです。 記事では、「日本では安楽死を検討する方向にはまだ動いていないが、個人の生き方(つまり「死に方」)を全面的に尊重する欧米社会との違いによるところが大きい。(中略)安楽死とは本人の希望だけでなく、残された家族の受け止め方も重要なはずである。周囲の気持ちをおもんばかる日本では、ゴダールのように『個の生き方』を貫くことは簡単ではない」と、この問題の難しさを指摘しています。 とは...2023.01.10 04:38コラム