日本の高齢者の、住まいに関する意識に変化の兆し。日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデンの60歳以上の人を対象とした「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」が、5年に一度、内閣府によって行われています。第9回となった2020年度の調査結果を見ると、ある設問に対する回答の大きな変化が目を引きます。 それは「現在、住んでいる住宅の問題点」という設問です。「何も問題を感じていない」という人が31.9%と、第8回(2015年度)の59.7%からおおよそ半減しました。第5回(2000年度)は45.0%、第6回(2005年度)は55.0%、第7回(2010年度)は55.5%となっていて、「住んでいる住宅に問題を感じていない」人が増加傾向にあったものが一転、大きく減ったことになります。 住んでい...2024.05.27 05:00コラム
食品スーパーの存在が、高齢期の健康維持につながる理由 食品スーパーが歩いて行ける近い場所にあるのは、高齢者にとってとても大事なことだと、高齢者に関する研究活動を行う筆者は思っています。 第一に、買い物と料理が習慣になります。何を作ろうかと考えをめぐらせ、調理・盛り付け・洗い物・片付け…と知らないうちに頭も体も使います。これを毎日行う人とそうでない人には、心身の状態に差が出てくるでしょう。 第二に、自分で作るから食べたいものを食べられるでしょうし、栄養面にも気を配ります。そして第三に、スーパーまで毎日歩くことがよい運動になり、知り合いに出会って立ち話をするきっかけにもなります。 食品スーパーの存在によって、運動・栄養・交流といった高齢期の健康維持にとって重要な要素が、自然に満たされると...2024.05.07 01:30コラム