高齢期の幸福は、「ゴリラ」に学べ。2014年に発刊されて話題になった「サル化する人間社会」(山極寿一・著)は、和を重視して勝ち負けがなく、仲間をいたわり合う「ゴリラ社会」と、序列が厳格で個々の利益と効率を重視する「サル社会」を分け、人間の社会が「サル社会」にどんどん近づいていると警鐘を鳴らしています。例えば「食べる」という行為について、ゴリラは仲間と食べ物を分け合う一方、サルはまったく異なるようで、山極先生は毎日新聞の連載で次のように述べておられます。「サルの食事は人間とは正反対である。群れで暮らすサルたちは、食べるときは分散して、なるべく仲間と顔を合わせないようにする。(中略)食物が限られていれば、仲間と出くわしてしまうことがある。そのときは、弱い方のサルが食物か...2025.01.20 03:40コラム